ファクタリングでは複数の業者に同じ債権を譲渡されないよう、通常であれば登記するのが一般的です。しかし中には業者側の判断で登記保留で契約をしてくれる会社もあります。登記保留をしていれば売掛金現金化で取引をした債権の所有者を法的に証明することができますが、保留にしていると、もし契約者が同じ債権を他の業者にも売却したとき、どちらが本当の所有者かわからなくなってしまいます。登記には司法書士への報酬や印税などで数万円から数十万円かかってしまうこともあります。

債権譲渡登記保留にすることで、こうした手数料を抑えることができる分、契約者が受け取ることができる資金も増えます。売掛金現金化は小額で利用すると大部分が手数料に消えてしまうことも珍しくありませんので、少額の利用をするときこそ登記保留にしてくれる業者を選ぶと良いでしょう。ただし登記されないからと言って、複数の業者に同じ債権を売却すると、大きなトラブルになる危険があります。最悪詐欺で刑事事件に発展する可能性もありますので、持っている債権の譲渡先は必ず把握し、二重譲渡にならないようにしなくてはなりません。

売掛金現金化では3社間の契約を選ぶこともできますが、3社間の場合は取引先も交えての契約になるため、債権譲渡登記の必要はなくなります。2社間ファクタリングでは取引先に資金繰りが悪化していることを知られずに資金調達できるのがメリットですが、コストを考えるのであればまず、取引先にも相談したほうが良い場合もあります。